Y君、迎えに来てくれて有難う

Y君、迎えに来てくれて有難う

今と違って、あの頃には「不登校」なんていう言葉はなかったよね。でも、何度かは学校に行きたくない日があった。

小学校の時、学芸会でかくれんぼをするシーンがあった。鬼になった僕が、主役だった金魚役の女の子を捕まえることになっていた。それが嫌で、練習の日には学校に行きたくなかった。でもその日に限って、東京から叔父さんが来ていた。無理やりスクーターに乗せられて、学校まで連れて行かれた。

スクーター

中学になってから、理由は憶えていないけれど、やっぱり学校に行きたくない日があった。布団の中から外に出なかった。起きることそのものを拒否するくらい嫌だった。

布団にもぐっている内に、「Y君が迎えに来てくれたよ」という母の声。

二人とも電車通学だった。親友のY君は4駅先、家は途中の青葉駅。Y君がわざわざ途中下車してくれた?一瞬、「何故」という疑問符が頭に浮かんだけれど、嬉しさでそれは飛んで行った。すぐに布団から出て、一緒に学校に行った。

改めて考えることで、カラクリを解明するような馬鹿なことはしない方が良いけれど、あの日、途中下車をして迎えに来てくれたこと、有難う。一緒に登校できたことがどれほど嬉しかったか今でも憶えている。

Y君、元気かな。